高齢化で痛みをガマンしながら生きる人が増加中

日本は世界でも有数の長寿国であり、人口に占める高齢者の割合は増加を続けています。そんななかで、多くの人たちが腰痛や頭痛など、体のどこかに何らかの痛みを抱えながら日常生活を送っています。

痛みは、身体に生じた異常事態を知らせる警告です。そのため、病院などで痛みの原因を特定して治療を行えば痛みはなくなります。しかし、高齢化とともにたとえば関節の軟骨が擦り減るなど体の本来の機能が損なわれてしまうことで痛みを感じるようになったり、体の弱い部分が炎症を起こして痛みを感じることがあります。原因がなんであれ、痛みが長く続くと体を動かすのが困難になったり、集中してものを考えられなくなることも。そんな痛みを和らげたり、感じなくすることを目的としているのがペインクリニックです。高齢化の進行とともに需要が増加し、クリニックの数も増え続けています。

薬物療法や神経ブロックなどで痛みをなくす

ペインクリニックでは多角的な視点から痛みの原因を特定し、一人ひとり異なる症状に合わせた薬物療法などを行います。あわせて、痛みの原因ではなく、痛みを感じる部分である神経を神経ブロックなどによって遮断する治療も実施します。

治療にともなう痛みのなかでも最大のものといわれる術後の痛みを含むさまざまな痛みを硬膜外ブロックや超音波ガイドに依拠した各種神経ブロックを行います。それにより、痛みを抑えるだけでなく、悪心・嘔吐やふらつき、眠気などのない生活の実現につなげることを目指します。

また、慢性痛、神経の障害やがんによる治療困難な痛みなどに関しては、医師、看護師、薬剤師、理学・作業療法士、臨床心理士など痛み診療に関わる多くのスタッフと連携して最適な治療を行います。さまざまな最新の治療法を駆使することで痛みを軽減・消失させてQOLの向上を目指します。